業務ポータルの開発
三菱電機FA事業部 イントラサイト"FAIBnet"リニューアル
プロジェクトの背景
三菱電機FAシステム事業本部では、長年にわたりFAIBnet(ファイブネット)と呼ばれる自社イントラサイトを運用していました。
このイントラサイトは、過去数十年の間に開発されてきた多数の製品に関する多様な情報が掲載されており、主に三菱電機と契約している代理店が利用しています。
利用者へのフォローだけでなく、製品の詳細な情報や販売戦略の共有など、営業活動の基盤となっていましたが、管理できないほどの情報量や、開発された当時のままの機能、変わり続ける業務プロセスとの乖離といった問題が発生しており、担当支社に「必要な情報がどこにあるのかわからない」「記載内容が分かりづらい」といった問い合わせが寄せられていました。
このような経年の課題を踏まえ、三菱電機FA事業部として営業活動のさらなる円滑化を目的としたプロジェクトの一環として、このイントラサイトを新たな業務ポータル「FAIBnet 2.0」として刷新することとなりました。
ステークホルダー
- クライアント:三菱電機FA事業部機器計画部
- サイト運営者:同上
- サイト更新者:事業部、製作所、支社
- サイト利用者:代理店、特約店、関係会社
密なコミュニケーションでプロジェクト前提を整理
規模の大きな開発が予測されたため、プロジェクトオーナー(以下PO)とは前年度予算計画の段階から慎重に会話を重ねていきました。
2049ではプロジェクトマネージャーが営業活動を兼ねているため、担当者と壁打ちをしながら予算や規模、スケジュール、解決の具体的なイメージや様々な課題を整理し、プロジェクトの全体像を早い段階で共通化できます。
本プロジェクトでは特に関連する部署やシステムが多岐にわたるため、事前に必要になる情報を確認しつつ、精査が必要な情報の見当付けや、プロジェクト推進に関わるステークホルダーの確認などに重点を置き、POと整理していきました。
その結果、年度が切り替わりプロジェクトの正式なスタートと同時に、プロジェクトが即座に進行できる環境を作ることができました。
ゴールイメージの具体化で要件定義の確実性を高める
要件定義で特に重要視したのは、最終的に出来上がるもののイメージを作ることです。
多くのステークホルダーへ説明するため、事前準備で得られた情報をもとに、新しい業務のプロセスとそれに合わせたシステムやウェブサイトのイメージを、クライアントと意見を交えて固めていきました。
何を実装するかの具体化だけではなく、何を実装しないかという点についても話し合い、「製品情報を管理する図書館」というゴールイメージに辿り着きました。
このように理想像をコツコツと具体化し、ウェブサイト構築に必要となる一般的な要件定義を実施することで、関係者が理解しやすく認識のズレを抑えることができました。
プロジェクトチームと協力体制の構築
開発規模が大きければ、伴って関係する部署が多くなります。円滑なプロジェクト推進とその後の成功のためにはこれらステークホルダーの協力は不可欠でした。
そのため本プロジェクトではゴールイメージを含めたアウトラインを検討後、プロジェクトオーナーとともに体制構築の期間を設け2049を中心とした開発チームだけでなく、現状システムを利用している支社メンバー、連携する基幹システム管理部門、インフラ管理を行っているベンダーなどへもプロジェクト概要を共有し、さまざまな局面で共有や検討、相談を行うことができる協力体制を構築しました。
プロジェクト設計から運用まで、プロジェクトオーナーに伴走
FAIBnet 2.0には、これまで長期にわたり作成された静的なhtmlページのコンテンツを移行する必要がありました。
このために、実際にコンテンツを作成している製作所の運用グループに向けて移行のオリエンテーションの他、すべてのグループと打ち合わせを行い、現状の運用方法や課題や要件を確認するとともに、移行の方法や移行後の運用方法などを説明し、リリース後の運用が円滑に行われるようフォローを行いました。
社内フォローのみならず、利用者となる代理店や特約店へのヒアリングも支社を通して実施しました。初期の段階からプロジェクトオーナーと密に検討し連携を行うことで広範囲の地固めにもなりました。 開発するものの規模が大きく、長期にわたるプロジェクトにおいては、明確なゴールイメージの作成や関係者との連携が重要です。
そのため、2049では設計や実装など開発するものの具体化の前に、プロジェクトそのものを設計する期間を設けています。
この体制のおかげで、その後の設計フェーズや実装フェーズにおける課題解決やプロトタイピングなどに協力していただくことが可能となり、開発したウェブサイトのクオリティアップを図ることができます。
「業務支援ポータル」の名に相応するユーザー利用率を実現
リリース当初は、使い慣れた旧イントラネットからの変化に戸惑いの声もありましたが、リリース半年後のヒアリングにおいては大変好意的な反応でした。
一方、運用側である支社や製作所についても、事前のフォローや説明会を実施していたため、反発や戸惑いなどはなく、大規模改修にありがちな混乱がなくスムーズなスタートとなりました。
ユーザーは、このサイトを利用して営業情報や仕様の確認、新製品情報の取得、関連するシステムへのアクセス、担当支社とのコミュニケーションなどたくさんの業務をこなせます。
登録されている代理店ユーザーのうち、およそ8割がアクティブに利用しており、「業務開始とともにこのサイトへアクセスする」というユーザーの言葉どおり、まさに業務支援ポータルにふさわしいサイトとなりました。
次のフェーズに向け、課題把握と改善を進める
リリース後は業務ポータルとしてさらに利便性を高めるため、初期リリースに含められなかった機能開発、ユーザーヒアリング、ログ分析から課題を把握し、サービスの改善を行いました。 これらの開発を、「FAIBnet 2.0 開発フェーズ2」と位置づけ、初期構築とは違ったアプローチで引き続き支援を行っています。
- Contents
- プロジェクトの背景
- 2049が行ったこと
- プロジェクトの結果
- プロジェクトのその後