2049
Cases
ブランドの再定義を
実行まで見据えて支えた
リブランディング

リブランディングプロジェクト

プロジェクトの背景

グッドバトンは、病児保育の予約と産後ケアの予約がネット上で行えるサービスを提供しています。導入自治体が増加し、市場規模の大きい産後ケア事業での伸長を見据え、事業の軸足を広げるフェーズに入っています。

事業の拡大に伴い、サービスブランドの再定義が必要なタイミングを迎えていました。当時の名称「あずかるこちゃん」は、先行サービスである病児保育予約を中心に育ってきたブランドです。しかし、産後ケアをはじめとするサービス領域の広がりを見据えたとき、すべての利用者・事業者・自治体に対してより適切な形でサービスの意図を届けられるよう、名称を統一的に刷新することとなりました。

名称が与える印象はサービスへの信頼や導入判断に直結するため、刷新にあたっては慎重かつ確実な進め方が求められました。また、自治体は年度単位で動くため、2026年3月の年度切り替えまでに完了させる必要がありました。

こうした背景から、新名称の決定以降、ブランドをどのような意図で再定義し、それをどの順番で社会に届けていくのか。さらに、実装をどのように安全に進めるのかまで含めた実行フェーズ全体のハンドリングについて、2049にご相談をいただいたことが本プロジェクトの発端です。

本プロジェクトは、単にロゴや表記を差し替える作業ではありません。企業がこれからどのようなコミュニケーションを行っていくのかを再定義し、その意図を社外にどう伝えるのかまで含めて整理・設計するリブランディングでした。

だからこそ、「なぜ変えるのか」「どのような思いで変えるのか」を言語化するだけでなく、それをどのような順番で、誰に向けて届けていくのかまで設計する必要がありました。企業にとって生命線ともいえるブランドを扱う以上、グッドバトンと2049が一体となって合意形成をしながら進めていくことが求められました。

ブランド再定義に関わる切り替え・実装の状況把握から進行

本プロジェクトは、ブランドの再定義にとどまらず、稼動中のサービスについて、切り替え設計から実装対応までを見据えて進める必要がありました。

一方で、スピード感を重視して成長してきた組織であるがゆえに、既存の制作物や動線の全体像が可視化されておらず、どこを変更する必要があるのかを整理するところから始める必要もありました。

このため、ブランドの方向性検討と並行して実行面の整理にも踏み込み、影響範囲の棚卸し、確認ルートの整理、クリエイティブ設計、周知設計、実装・移行対応までを一体で進めていきました。

影響範囲の棚卸しと詳細な構造化

リブランディングの本質はコミュニケーション設計にありますが、プロジェクトを安定的に進めるためには、早期の全量把握と優先順位付けが不可欠でした。後から修正対象が増えていくことを大きなリスクと捉え、まずは棚卸しから着手しました。

スピード感を重視して事業を拡大してきた背景もあり、旧サービス名の表記がどの制作物や動線に残っているのかを、横断的に把握できる状態にはなっていませんでした。さらに、各制作物は部門ごとに個別に管理されていたため、全体像を把握している人がいないという状況でもありました。

そのため、どこを変更する必要があるのかを一から洗い出す必要があり、グッドバトンのメンバーと連携しながら、現場の状況を確認しつつ棚卸しを進めていきました。

棚卸しの過程で新たな検討テーマも見えてきましたが、本プロジェクトでは切り替え対応を主目的とし、スコープを明確に定めて進行しました。変更対象の優先順位については経営判断としてグッドバトン側に委ねつつ、2049は判断に必要な情報を整理し、意思決定しやすい状態を整えました。

影響範囲の棚卸しと詳細な構造化

担当範囲、確認ルートの明確化で円滑な進行を担保

棚卸しを進める中で見えてきたのが、グッドバトン側の体制として確認や意思決定の流れが曖昧になりやすい点でした。

既存制作物ごとに担当者が異なり、時には誰がいつ更新したものか分からないケースもあったため、「誰に確認すればよいのか」「誰がその対応を担うのか」が揺れると、後戻りや追加対応が発生しやすい状況でした。

そこで各制作物について担当者を整理し、「誰が何を持つのか」を明確化。問い合わせや確認の行き先が曖昧にならず、安定して進行できる体制を整えました。

クリエイティブ方針設計からガイドライン整備までを推進

ロゴ制作では、既存制作物との整合を出発点とするのではなく、新名称としてどのようなブランドを目指すのかを起点に設計を進めました。

先方へのヒアリングを通じて、今後の事業フェーズにふさわしいブランド像を整理し、その方向性をもとにロゴを検討。言葉のニュアンスやトーンの解像度を上げながら、方向性を定めていきました。

デザイン案は複数案を提示したうえで検討を進めましたが、比較的早い段階で方向性が定まり、その後は選定された案をもとにブラッシュアップを重ねていきました。ブラッシュアップの過程では、名称に込められたコンセプトをデザインの拠り所としました。「テオテ」の「o」が表す、渡す手と受けとる手の間にある有形無形の存在。それを、小説で心の声を表すときに使う丸括弧「( )」のかたちで視覚化することで、さまざまな立場・状況の人々の「思い」を包むロゴへと昇華させていきました。名称の意図とビジュアルの意味が自然に重なるよう、精度を高めながら最終形へと整理されています。

あわせて、運用時のブレを防ぐため、ロゴの使用ルールや展開指針を整理し、ガイドライン整備まで含めて推進しました。

また、デザイナーについても、クライアントの要望や目指す世界観に合う人物をプロジェクトメンバーで検討したうえでアサイン。チーム編成の段階から、ブランドの方向性に沿ったアウトプットが生まれる体制を整えました。

クリエイティブ方針設計からガイドライン整備までを推進

稼動サービスだからこその、円滑かつ確実な情報公開プランを設計

リブランディングは、単なる名称やロゴの変更ではなく、社外コミュニケーションの再設計でもあります。本サービスは、利用者・事業者・自治体といった複数の立場が関わる構造であるため、発表の仕方やタイミングを誤れば混乱を招きかねません。

そのため、各関係者に対してどの順序で、いつ、どのように情報を届けるかを整理しました。

利用者像や各関係者との関係性について最も直接的に把握しているのはグッドバトンであるため、優先順位の判断はグッドバトンが担っています。その前提のもとで、決定内容を具体的なタスクと期限に落とし込み、抜け漏れなく進行できるよう管理するとともに、切り替え時に齟齬が生じないよう周知と公開のタイミングも設計しました。

サービス環境整備までも一体で実施

設計や整理にとどまらず、リブランディングに伴う実装対応までを一体で担いました。リブランディングに伴いドメインも変更することとなったため、リダイレクト設定を行い、利用者が混乱なく移行できる環境を整備しています。

また、サービスが連携しているLINEやメールなどの利用者との接点や、外部サービスにおける名称・ロゴの差し替えにも対応しました。自治体や事業者に向けては、新ロゴ素材を提供するとともに、変更点を整理した案内ページを公開しています。

さらに、本プロジェクトはアカウント共通化やドメイン変更などの他施策とも影響関係にあったため、関連プロジェクトへの影響を踏まえながら内容とスケジュールの両面で調整し、設計から実装対応までを一体で推進しました。

設計から実装まで、ひとつながりで支える

影響範囲が広いリブランディングを、社内外の関係者に混乱なく進めるには、全体像を捉えた設計と、それを着実に前へ進める推進力が不可欠です。

2049は、影響範囲を把握したうえで優先順位とスコープを整理し、グッドバトンが描くサービスの将来像を軸に段階的な全体設計を担いました。

さらに、複数プロジェクトを横断的に伴走していたからこそ、他施策との関係性を俯瞰しながら調整を行い、限られた期間と予算の中で全体最適の形で移行を支えています。

企業にとって重要な意志決定となるリブランディングにおいては、クライアントだけでなく、デザイナーや編集者を含めた関係者全体で認識を揃えながら進めていくことが不可欠です。

今回のリブランディングは、将来像を描くだけでなく、それを現実の移行へと着実に落とし込んだプロジェクトでした。構想と実行を切り離さず、設計から移行対応までを、2049が一体で支えています。

Contents
プロジェクトの背景
2049が行ったこと
このプロジェクトの価値